両建とは

同じ通貨ペアの買いポジションと売りポジションを同時に保有することです。相場が高騰・急落した場合、一時的に損失を防ぐために行われる取引手法で、FXに限らず株式の信用取引でも用いられます。
通常は、買いポジションか売りポジションを保有している状態で、相場が思惑と逆に動いた時に損失を、一時的に止める手段として用いられます。

両建のメリット・デメリット

両建のメリットとしては、一時的に損益をロックすることができるので、24時間動くFXの場合、冷静に次の戦略を立て直せる手法とも言えます。デメリットとしては、証拠金が倍かかる(片方のポジションのみ証拠金がかかるFX会社もあります)、また、各ポジションのスワップポイント合計がマイナス、トレードコストが倍(手数料が倍、スプレッドコストが倍)で、損失を先送りしているのみで意味がないと言われることがありFX会社では、両建が禁止されていて利用できない会社もあります。

両建の外し方・その後

両建の難しさは、ポジションの外し方が難しい事です。最初のポジションを作ったときに、相場が外れているわけですから、相場の予測や戦略の見直しが必要です。

両建後の相場の動きによって、3つの損益パターンがあります。
【想定:買いのポジションを持たが、急落により売りのポジションを持った。】
①買いのポジションも売りのポジションも損失になる。
②買いのポジションの損失が膨らみ、売りのポジションンに利益が発生
③買いのポジションが利益になったが、売りポジションが損失になる。

①の場合、両建ポジションを保有したまま、新たなポジションを作る方法があります。この場合、損失が残っている事を認識しつつ、新たなトレードで損失部分をカバーできた分、両建を売り買い同時に決済しましょう。この戦略は、両建ポジション+新たなポジションなので、総ポジション数が増加しますので気を付けましょう。もし、①の状況のままだった場合には、思い切って両建のポジション全てを決済することをお勧めします。

②の場合、売りポジションを決済して利益を出したいところですが、買いポジションの一部もしくは全部を決済し利益の出ている売りポジションの利益を伸ばします。もし、資金に余裕があるのであれば、両建のまま売りポジションを増やすのもいいかもしれません。この時、買いポジションの損失があるので、売りポジションを決済する際に買いポジションも一部もしくは全決済という方法もあります。
③の場合は、②と同様になり、損失の出ている売りポジションの一部もしくは全部を決済します。資金に余裕がある場合は
両建てのポジションはそのままで、買いポジションを増やすという方法もあります。
上記は、両建後の戦略における一例です。両建をした後の相場の流れを読み直す必要がありますので注意してください。

By 遠藤 寿保

98年日本初のFX開始からFX業界に携わる(日本のFX業界で一番古い。業界の歴史や相場など色々経験)。 ひまわり証券→FXZERO→GMO外貨(CyberAgent/Yahoo/GMO)→てらす証券アドバイザーズ助言部。 日経新聞やロイターなどメディアの取材・掲載多数。 【職歴】 ひまわり証券 FXZERO役員 外貨ex bvGMO(サイバーエージェント・ヤフー・GMO) てらす証券アドバイザーズ 【活動】 2007年~2017年  FX月刊誌の連載コラム執筆 2013年5月~2018年3月 ヤフーファイナンスの株価予想寄稿 2014年7月~2022年5月 ストックボイス7「FXフォーカス」毎週水曜出演(東京 MXTV) 2018年5月~Twitterマーケット解説配信 日経新聞・日経クイック・ロイターなど、取材多数

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