前回、「両建」に関して、解説しましたが、両建の手法は奥が深く色々なバージョンがあります。今回は毒にもなり・薬にもなる「悪い両建」と「良い両建」を深堀してみます。
![](https://fxevangelist.com/wp-content/uploads/2022/09/両建て①-1024x576.jpg)
(1)「悪い両建」
これは、皆さんが想像する普通の両建です。特に資金がギリギリの状態で両建をした場合、放置すると、スワップポイントの支払いが増え、追証やマージンカットになってしまう場合があります。また、FX会社によっては、マックス証拠金といって、証拠金が、買いか売りの大きい方のみにかかるところがあり(証拠金が半分)、その場合、余剰資金ができるのですが、両建の外し方が難しく、ポジションをずらしただけで、マージンカットになる場合もあります。
(2)「良い両建」
良い両建というと、推奨しているようで語弊がありますが、上手な使い方としてご覧ください。
①あんこ入りの両建
これは、両建している合計の損益がプラスの状態の事をいいます。つまり、利益をロックした形になります。例えば、ドル円を130円で買いポジションを持っていて、140円になったところで利益決済するのではなく、売りポジションを持ち両建にします。調整の下落があれば、後からの売りポジションを決済します。もし、売りポジションを持った後、上昇した場合、売りポジションを損決済したとしても、
先に持っている買いポジションの含み益が増えているので、相殺されます。
②取引量を変えた両建
これは、マーケットは逆行しているが一時的と判断した場合10万通貨の買いポジションに対し5万通貨
の売りポジションをいれ調整します。また、マーケットの逆行が想定以上と判断した場合、10万通貨の買いポジションに対し、20万通貨の売りポジションを持つなどです。
※どちらの両建にしても、余剰資金があっての戦略です。ぎりぎりの資金での両建は、本当の意味で損失の先送りになります。まだまだ、変則的な両建はありますが、次回紹介したいと思います。