【米国経済指標】

ドル円のファンダメンタル要因で、米国の経済指標は欠かせない要因です。単体での影響は短期的な動きに直結しますが、最終的にはFRBによる金融政策にどのように影響を与えるかが重要です。また、発表される数値より、市場予想との乖離に注目してください。そこで、全てではありませんが米国の経済指標を簡単に解説しました。

また、経済指標には流行(はやり)があります。20年以上前は米国の貿易収支などが最も注目されましたが、FXが始まってからは、米国雇用統計が最も注目されるものとなりました。そして、米国雇用統計に関しても、非農業部門雇用者数(NFP)と失業率が注目されていましたが、現在は平均時給にも注目が集まっています。また、インフレを計る経済指標は米国消費者物価指数(CPI)で、現在も注目されていますがFRBが、金融政策を決定するうえでPCEデフレーターを重視していると発言されるとPCEの発表にも注目が集まっています。

時代に合わせて、注目される経済指標が何なのかをアップデートする必要があります。

【米国雇用統計】

米国の雇用情勢を調べた経済指標です。非農業部門雇用者数(NFP)・失業率・平均時給が特に注目されており、その他、建設業雇用者数、製造業雇用者数、小売業雇用者数などの業種別雇用者数、週平均労働時間などが米国労働省から毎月発表されます。FRB(米連邦準備理事会)の経済・金融政策のに影響を与えます。通常、翌月の第1金曜日に発表されます。

【ADP雇用統計】

ADP雇用統計とは、米国の給与計算代行サービス大手となるオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)社のデータを利用して、全米の非農業部門雇用者数の予測をするために開発された統計です。米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されます。米国雇用統計の予測ができる統計として
注目度の高いものとなっています。

【米国GDP】

GDP=Gross Domestic Product(国内総生産)とは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの「付加価値」の総額で、国の経済規模を測るための指標の一つで米国商務省が発表します。経済成長率を表す指標で、消費・投資・輸出・政府支出などが大きな構成要素です。また、消費はGDPのおよそ2/3を占めるといわれており、国内総生産には名目国内総生産(名目GDP)と実質国内総生産(実質GDP)があります。GDPには、速報値・改定値・確定値があり、特に速報値に注目が集まります

【米国ISM製造業指数】

全米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が企業の購買担当者へのアンケートを基に、製造業・非製造業における景況感を示す指数です。製造業は翌月第1営業日、非製造業は第3営業日に発表され、景気の先行指標となっております。日本で日銀短観が、同様の指標となります。

【米国ISM非製造業指数】

全米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が企業の購買担当者へのアンケートを基に、製造業・非製造業における景況感を示す指数です。製造業は翌月第1営業日、非製造業は第3営業日に発表され、景気の先行指標となっております。日本で日銀短観が、同様の指標となります。

【米国消費者物価指数_CPI】

米国国内の物価の上昇・下降などの変動を表す経済指数で、「CPI(Consumer Price Index)」と呼ばれます。米労働省が毎月中旬に公表しています。衣料や食料品など約200項目の品目の価格の変化を調査して指数化したもので、米国国民の生活水準を示す指標のひとつです。消費者物価指数の中から、変動の激しいエネルギー関連数値や食料品目を取り除いたものを「消費者物価指数コア」といいます。

【米国生産者者物価指数_PPI】

米国生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国の労働省が発表する米国内の製造業者の販売価格を調査・算出した物価指数です。 製造段階別、品目別、産業別の数値が毎月発表されます。消費者物価指数と同じく、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が同時に発表されます。

【PCEデフレーター】

米商務省が毎月末に発表する個人消費の物価動向を示す指標です。個人消費支出(Personal Consumption Expenditure)のデフレーターで、名目PCEを実質PCEで割ったもので、消費段階での物価上昇圧力を測る尺度といわれています。PCEデフレーターから、価格変動が激しい食品とエネルギーを除いたものを「PCEコアデフレーター」と呼び、FRBが最も重視している物価指標として知られています。また、消費者物価指数より、PCEデフレーターの方が調査対象が広いため、実際の物価動向を
反映していると言われています。最近では、FRBがインフレを計るため最重要視している経済指標として注目を集めています。

【米国鉱工業生産】

米国鉱工業生産(US Industrial Production Index)とは、FRB(連邦準備制度理事会)が毎月15日前後に発表する米国の製造業、鉱業、公共事業(電気・ガス)の生産動向を、基準時点(2002年)を100として指数化したものです。総合指数のほかに、産業別と財別のグループ別の数字も公表されます。業種別の詳細データが公表されるため、個別業種の生産動向を知ることができるます。

【米国小売売上高】

小売売上高(index of retail sales)とは米国商務省が通常善く営業日に発表する、米国の百貨店・スーパー・コンビニ等の小売・サービス業者の売上金額をまとめた経済指標です。消費者が商品購入にどれだけお金を使ったかが分かるので、米国の景気の良し悪しや個人消費の動向が判断できます。

【新築住宅販売件数】

米商務省が毎月下旬に発表する米国における新築住宅の販売件数の事です。住宅の販売価格や在庫状況などを調査し、地域別・価格帯別の販売件数も公表されます。景気動向の先行指標とされる米住宅関連指標のひとつで、市場では注目度が高いです。住宅の新築は材料の調達などで関連産業への影響もあり、景気動向に左右されます。

By 遠藤 寿保

98年日本初のFX開始からFX業界に携わる(日本のFX業界で一番古い。業界の歴史や相場など色々経験)。 ひまわり証券→FXZERO→GMO外貨(CyberAgent/Yahoo/GMO)→てらす証券アドバイザーズ助言部。 日経新聞やロイターなどメディアの取材・掲載多数。 【職歴】 ひまわり証券 FXZERO役員 外貨ex bvGMO(サイバーエージェント・ヤフー・GMO) てらす証券アドバイザーズ 【活動】 2007年~2017年  FX月刊誌の連載コラム執筆 2013年5月~2018年3月 ヤフーファイナンスの株価予想寄稿 2014年7月~2022年5月 ストックボイス7「FXフォーカス」毎週水曜出演(東京 MXTV) 2018年5月~Twitterマーケット解説配信 日経新聞・日経クイック・ロイターなど、取材多数

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