『MACD』(マックディー)とは、移動平均線をベースに、さらに精度の高い分析を行うために開発されたのがオシレーター系テクニカル指標です。MACD(Moving Average Convergence Divergence)は、「マックディー」とよみ、日本語だと「移動平均収束拡散」となります。移動平均線を応用したテクニカルの手法で、2つの移動平均線を使って、買いと売りのタイミングを判断するものとなります。移動平均線は、直近の価格の比重が重いEMA(指数平滑移動平均線)を使用します。

MACDとシグナル

MACDで使用される2本のラインにはそれぞれ名称があります。

①MACD:短期EMA(指数平滑移動平均線)-長期EMA(指数平滑移動平均線)
EMAの期間は一般的に、短期EMAが9もしくは12、長期EMAが26を使用します。期間を変化させる際は、必ず短期の動きと長期の動きを捉えられるEMAの期間の数値にそれぞれ設定する必要があります。

②シグナル:MACDのSMA(単純移動平均線 )
SMAの期間は9を使用します。また、MACDからシグナルの値を引いて棒グラフにしたものをヒストグラムと呼びます。ヒストグラムによって、MACDとシグナルの乖離の度合いがわかるようになっています。

MACDの見るべきポイント

①MACDとシグナルが交差するところ

・ゴールデンクロス:MACDがシグナルを上抜けること。買いのサイン
・デッドクロス:MACDがシグナルを下抜けること。売りのサイン

これらはグラフのゼロライン(ヒストグラムが0を表すライン)から離れたところで発生した場合に、売買サインの確度があがります。また、ゴールデンクロス発生後にMACDのラインがゼロを上回った場合は買いサイン、逆にデッドクロスの後にMACDのラインがゼロを下回った場合は売りサインといえます。

②MACDとシグナルがゼロのラインと交差するところ

・MACDとシグナルがゼロのラインを上抜ける:上昇トレンドの継続を示唆
・MACDとシグナルがゼロのラインを下抜ける:下降トレンドの継続を示唆

現在発生しているトレンドが勢いの強いトレンドなのか勢いの弱いトレンドなのかを把握することができます。

③ヒストグラム

ヒストグラムはMACDとシグナルの差を表しています。つまり、MACDとシグナルが交差した時に、ヒストグラムは0になります。
・MACDとシグナルがゴールデンクロスになった時:買いのサインを示唆
・MACDとシグナルがデッドクロスになった時:売りのサインを示唆

④ダイバージェンス

ダイバージェンスとは日本語で「逆行現象」と言われ、価格とテクニカル指標が逆行している状態を指します。たとえば、価格は上昇しているのにMACDは下がっているような状態です。
トレンド発生時にダイバージェンスが出現した場合は、トレンドが弱まっているサインとなります。
トレンドが転換する可能性を示唆しているため、注意が必要です。

実戦での使い方

精度が高いと言われるMACDですが、欠点としては、レンジ相場でダマしの発生が多くなることです。トレンド相場なのかレンジ相場なのかを見極める必要があります。トレンド相場かどうかを判断するため、他の指標を組み合わせる場合があります。相性が良いのが、RSIといわれています。MACDで認識できない相場の過熱感を見ることができるからと言われています。

By 遠藤 寿保

98年日本初のFX開始からFX業界に携わる(日本のFX業界で一番古い。業界の歴史や相場など色々経験)。 ひまわり証券→FXZERO→GMO外貨(CyberAgent/Yahoo/GMO)→てらす証券アドバイザーズ助言部。 日経新聞やロイターなどメディアの取材・掲載多数。 【職歴】 ひまわり証券 FXZERO役員 外貨ex bvGMO(サイバーエージェント・ヤフー・GMO) てらす証券アドバイザーズ 【活動】 2007年~2017年  FX月刊誌の連載コラム執筆 2013年5月~2018年3月 ヤフーファイナンスの株価予想寄稿 2014年7月~2022年5月 ストックボイス7「FXフォーカス」毎週水曜出演(東京 MXTV) 2018年5月~Twitterマーケット解説配信 日経新聞・日経クイック・ロイターなど、取材多数

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